沈殿地汚泥掻寄機用駆動装置
センターポストタイプ
センターシャフトタイプ
特長
1.構造
最終段の平内歯車にウォーム減速機を組み込んだ、合理的な設計構造です。昇降装置付の場合は旋回させながら昇降できます。
また、現地据え付け後、スプロケットホイールを交換することにより、掻寄スピード(レーキ周速)を変更することが可能です。
2.支持
センターポストタイプでは、平内歯車ボスとギヤケースに設けた軌条転がり軸受により、大きなスラスト荷重、転倒モーメント、歯車からのラジアル荷重、その他の外力を全て支えます。
3.回転装置
本体には、手動回転装置が装備されています。そのため、槽内のモルタル施工やブレードのクリアランス調整、その測定など手動回転装置を使用して能率的に作業が行えます。特に、施工現場に動力電源のない場合は効果的です。
4.昇降装置
昇降装置付の場合、昇降操作は、運転中または停止中のいずれにおいても自由に行えます。危険防止に関しては、電動機をオーバーハングにしたタイプのウォームジャッキを設け、出力軸昇降の上限および下限にマイクロスイッチを複式にする対策を施してあります。
トルクメータと昇降用電動機が連動することにより、遠隔操作を容易に行えます。
5.安全装置
過負荷による駆動装置保護機構が装備されています。安全装置は、過負荷率(トルク)を目盛板にて目視検出でき、トルク設定値で警報と停止の接点を作動させます。また、遠隔操作用安全装置の取り付けも可能です。
6.保守点検
センターポストタイプの場合、平内歯車とウォーム減速機の間にあるフロアプレートに、中心部と周囲に十分なスペースを確保しているため、保守点検が容易に行えます。また、潤滑油の交換はすべて中心部に集中しているため、危険な作業状態がなく、極めて安全で手数が掛かりません。
水中減速機
特長
1.浸水防止軸封装置
ウォーターシールカセットを使用し、オイルシールとアキシアルシール、およびオイルチャンバーとグリスチャンバーを組み合わせた複合型軸封装置です。市販の標準シール部品を使用し、完全な軸封装置としています。
2.浸水および油漏れの防止対策
特に縦軸の入力軸上部では、直接軸封部に水が接触すると、水と油の比重差により潤滑油が上がり浸水しやすくなります。そのため、エアーチャンバー(ゴミ避け兼用)を設けて軸封部を水から隔離することにより、浸水や油漏れ防止を確実なものにします。
横軸に関しては、水と油が同一面にあるため、縦軸ほど比重差の懸念がなく、前述の軸封方法で十分対応が可能です。
3.交換が簡単な軸封部の構造
回転部は、長期間の使用により必ず接触部に摩耗が生じ、軸封効果が減衰します。摩耗した軸封部の取り替えは、ウォーターシールカセット方式となっているため、極めて容易です。
4.減圧方法
水深が深くなると軸封部にかなりの水圧が掛かるため、給油配管で気中と水中減速機を連結し、軸封部に掛かる圧力を軽減させるようにします。
水潤滑耐久試験の結果、沈澱池汚泥掻寄機用として、低回転・長時間の運転を行う場合には、水潤滑方式で使用できることが確認されています。
いかなる運転条件であっても、十分に耐久性があり、信頼度が高いことが証明されています。なお、潤滑水は、水道水または処理水であることが条件であり、水圧等にも配慮が必要です。また、特定のインターバルで、ギヤボックス内を循環させることにより、内部を洗浄することもできます。